—— トランジスタと真空管、二つの音の魂を手のひらに

中国のオーディオブランドShanlingは、新たなポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「UA7」を正式発表した。本機は、ハイエンドデスクトップ機にも匹敵する三段構成の音響アーキテクチャを採用し、コンパクトなボディの中に真空管とトランジスタ、二つの異なる音の個性を融合させた意欲作となっている。

三擎(トリプルドライブ)構成による高精度サウンド設計

UA7は、「ES9069 DAC + OPA1612 + BUF634」による三擎ドライブ構成を採用。
高性能DACチップ「ES9069」が高解像かつ低歪みのデジタル変換を担当し、OPA1612が信号増幅を行い、最終段でBUF634が力強い電流出力を実現する。この三段構成により、解像度・ダイナミクス・音場表現の全てにおいて卓越したパフォーマンスを発揮する。

開放式真空管構造と独自の防振設計

UA7には、Shanling製品ではお馴染みの真空五極管「JAN6418」を採用。繊細で透明感があり、柔らかく空気感に富んだ音色が特徴だ。
さらに、ポータブル環境でも安定動作を実現するため、自社開発の「開放式防振構造」を導入。真空管を浮遊固定し、多層防振構造で外部振動や微小共振を効果的に抑制することで、限られた内部空間でも純度の高い音を維持する。

トランジスタ/真空管のデュアルモード切替

UA7は、電子管(真空管)モードとトランジスタモードの2種類を搭載。ユーザーは、温かみと滑らかさを持つ真空管サウンドと、解析度とスピード感に優れたトランジスタサウンドを自在に切り替えることができる。まさに一台で二つの音楽性を堪能できる仕様だ。

高出力と最新機能を備えたポータブル・フラッグシップ

ES9069 DACはS/N比117dBを誇り、PCM 768kHz/32bitおよびDSD512のネイティブ再生に対応。
増幅部は、デスクトップクラスのShanling伝統構成を継承し、I/V変換にデュアルOPA1612、出力段にOPA1662とBUF634を組み合わせたOP+BUF構成を採用。平衡出力時は最大577mW(@32Ω)の高出力を実現している。

さらに、0.87インチOLEDディスプレイを搭載し、3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス出力、専用アプリによる音質調整機能、高純度OFC着脱式ケーブルにも対応。小型ながらデスクトップ機に匹敵する柔軟性と音質を兼ね備える。

発売時期

Shanling UA7は、2025年11月上旬の発売を予定。真空管ならではの温もりと、現代的な高解像サウンドを両立した新しいポータブルオーディオの象徴として注目を集めている。