今回の新商品紹介は、5月30日に発売開始となったKinera Celest Yakshaのレビューとなる。
今回はKinera Celestの新作イヤホンの発売だ。
こちらのメーカーは遊び心があり、面白いドライバー構成かつビルドクオリティ高いイヤホンを比較的求めやすい価格帯で多数展開している。今回はどのようなイヤホンになっているのか楽しみだ。
それでは少し細かく見ていこう。
■Kinera Celest Yaksha の特徴
・夜叉コンセプト
毘沙門天の従者である夜叉神にインスピレーションを得たもので、神話の特性を音響で再現
4 ドライバー ハイブリッド構成
・4WAYハイブリッド設計
20Hz~40kHzの広範囲を歪みなくカバー
・豊かで充実したサウンド プロファイル
・ユニークで獰猛なデザイナーのフェイスプレート
・快適で人間工学に基づいたデザイン
・高品質の6N OCCシルバーメッキ+OCCのハイブリッドケーブル
このYakshaの特徴は、ドライバー構成かなと思う。ドライバー構成は2DD+1BA+1MPDとなかなか見ない構成で、celestらしい遊び心を感じつつも、ビルドクオリティの高さからしっかりとイヤホンとしてのバランスをとっているように感じる。
手持ちでは、同社Phenix Callにもマイクロプラナーは採用されており、そのサウンドが好きなのでこれはどのようなサウンドになるのか期待してしまう。
■ドライバーについて
2DD+1BA+1MPD
8mm超磁気ダイナミックドライバー
10mm LCP液晶ポリマー振膜ドライバー
マイクロブラナーマグネティックドライバー
Knowles RAN-62462オープン型アーマチュアドライバー
2DDにKnowles社製のBAにマイクロプラナーとは本当の面白い。
その他、詳細はメーカーHPを参照。
■デザインについて
カラー展開は2色展開。
今回は赤をチョイスしたが、夜叉感を感じつつもしっかりと作られていて美しい。
また赤×黒は同時にシックさと高級感も感じ、これは所有欲を満たされる出来と感じる。
筐体は少し大きさと厚みがあるので、耳の小さい人は注意が必要で、イヤピのサイズ選択が重要と考える。
■ケーブルについて
付属ケーブルには、6NOCC銀メッキ線とOCC銅線のリッツ編組構造による4芯構成のものが付いてくる。
0.78mm 2ピンコネクタを採用し、3.5mmもしくは4.4mmから選択可能。もちろん私は4.4mmから選択した。
自信がるようで高級ケーブルと謳われているのが、手に取って、繋げて聴いてみるとこれは納得の出来で質感が良く、音質も十分みたしてくれるものだ。
しかし、1点だけ。これは感性の違いというか好みの問題だと思うのだが、ケーブルのい色合いが派手で、せっかくの美しいFPと喧嘩しているように感じる。私なら同色系か黒系にしてよりFPが際立つような演出にしたい(後日レビュー後にリケーブルする予定だw)
■付属品について
・イヤホン本体
・ケーブル
・3.5mm、4.4mm、USB Type-Cの3種類のコネクター
・イヤーピース
・イヤホンケース
・3種類のノズル
・アナログスイッチ切り替え用マイナスドライバー
・説明書
■音質について
さて、実際にリスニングして音質を確認してみた。
エージングは約50時間。
使用環境は、DAPで再生し付属ケーブル。イヤーピースだけは社外品を使用。
高音域
個々だけ寒色傾向でクリアで分離感の良い粒立ちの良さを感じる。量感は他の帯域と比べると相対的に少し少なめでなあるが、逆にこのバランスにより高音がうまく浮き出て聴こえ分離感の良さが強調されているように感じる。
中音域
厚みと空気感を感じるボーカルで、解像度も悪くないので音像をしっかりと掴むことができる。
低音域
サブベースは量感が多く、厚みがありしっかりと沈み込みもあって迫力をしっかりと感じることができる。低音の量感も多く圧が強めだが、解像度の高さも感じることができる。質とバランスの良さを感じる低音域。
全体的な音の印象
低域の量感が多いがボーカルや高音域が飲まれることなく、全体的ににはニュートラル寄りの暖色傾向。圧のある低音域から厚みと空気感から自然さを感じるしっかりとしたボーカル。その半歩外から分離しながらも浮いてしまうずにしっかりと存在感を出している粒立ちの良い高音域は、良い意味で浮き出てきて美しく聴くことができる。
空間も上下を感じることができ、やや横方向に広く、適度な余韻で聴き疲れせずに楽しむことができ、特にジャズやバラード、男性ボーカルとの相性が良い。
■Kinera Celest Yaksha のまとめ
Kinera Celest Yakshaは聴いてみて聴く前の想像よりもしっかりとしていて正直驚いた。
遊び心を感じながらも見た目のビルドクオリティ、音質のバランス、付属品の充実とどれも妥協なくとても楽しいイヤホンだった。
特に全体的には暖色傾向の中から浮き出るように粒立ちの良い高音が美しいと感じる。量感はすくなくともこのような主張の仕方があるのだと感心し勉強になったし、聴いていて心地よい。
個々はリケーブルによってもう少し高音寄りのバランスにして綺麗に聴けそうな気がしている(後日試してみる予定だ)
また、黒赤のカラーリングとフェイスプレートの美しさもこのイヤホンの特徴だ。少し厚めの筐体なのでイヤピ選びはしっかりとした方が良いと思う。
価格も含めて全体的なバランスが優秀な一台だった。
しかし、最近のミドルクラスまでは本当に個性があって楽しいイヤホンが多いと感じる。このような新しいイヤホンにまた出会えたことに感謝して今回のレビューを締めたいと思う。