今回は、PULA Unicrom 杢をレビューしていく。
今回のレビューはPULAの新作Unicrom 杢だ。前作のAnvil114は骨伝導ドライバーを採用しており、とても楽しいイヤホンだったが、久しぶりの新作で楽しみにしていた。
さて、今回は1DDらしいが、PULAらしい音になっているのか楽しみだ。
今回もしっかりと聴きこんでレビューを書いたので是非ご覧いただきたい。
それでは細かく見ていこう。
■PULA Unicrom 杢の特徴
・自然でバランスの取れたサウンド
・安定化木材パネルのフェイスプレート
・ベリリウムを採用したダイアフラム(振動板)を初導入
・3.5mm標準プラグと4.4mmバランス接続の交換可能プラグ
・高品質ケーブルで音質を最大化
■ドライバーについて
1DD
10mmDD ベリリウムコート振動板
その他、詳細はメーカーHPを参照。
■デザインについて
シェル:樹脂製
ノズル:一体型樹脂製
フェイスプレート:自の樹脂含浸技術で処理したメープル材「安定化木材」を使用
筐体の大きさはそこまで大きくなく、人間工学に基づいて設計されていて内側の形状も良くフィット感は良好
今回もフェイスプレートは全て手作りで、美しさと温もりを感じられてしい。
カラー展開は4色。今回はグリーンを選択した。
■ケーブルについて
導体:高純度銀メッキ銅線
交換可能なプラグ(3.5mm / 4.4mm)
0.78mm 2Pin
初めからプラグ交換式になっているのは嬉しい。
ケーブルの質感も悪くなく、このまま運用しても良さそうだ。
リケーブルは自分好みに調整したい場合に勧めする。
■付属品について
・イヤホン本体
・ケーブル
・イヤーピース(2種類)
・イヤホンケース
・取説、保証書
・交換用4.4mmオーディオジャック
■音質について
さて、実際にリスニングして肝心の音質を確認してみた。
エージングは約100時間。
使用環境は、DAPで再生し付属ケーブル。イヤーピースだけは社外品を使用。
・高音域
ソリッド傾向でクリアでビシっと表現していて、ディテールから感じることができる。
シンバルなどの金促音などや、歯擦音などがささることはなく、ぎりぎり1歩手前まで綺麗に聴こえる。
・中音域
ボーカルが近く、ニュートラルで自然な雰囲気があって、聴いていて心地よさを感じられる。
曲によっては空気感を感じられ場面もあり、それが厚みになって良い感じのリアル感を感じられた時があった。
・低音域
サブベース、量感はしっかりと多めで、ベリリウムらしいキレ良くアタック感があり、粘り気が少しあって、深みも感じられて全くブーミーにならなずにならない。
ミッドベ―スもほぼ同じ印象だが、こちらの方が先にスッと消えていくように感じ、比べると余韻の少なさを感じる。
・全体的な音質の印象
空間表現は音場は左右に少し広く、上下は感じられるぐらいでそこまで大きい空間ではないと感じる。分離感も1DDとしては悪くなく、定位も各音色を追える。
全体的には音域ごとに表情が若干変わるが、若干低音を多めに感じるニュートラル傾向なサウンドだと感じた。
キレ良くアタック感のよい低音と目の前で自然さを感じるボーカルが自然な雰囲気をだし、それらに埋もれることなくディテールまでクリアさ感じる表現の高音域。
各帯域の特徴がしっかりと感じ取れるが、通して聴くとまとまりのあるナチュラルさを感じるサウンドで、曲ごとにそれぞれの楽しみ方があると感じた。
元々ダイナミックドライバーではベリリウムメッキが一番好きなのだが、nicrom 杢はその中でもその良さをうまく引き出していると感じ、大変好みなサウンドだった。
■PULA Unicrom 杢のまとめ
前作から少し時間空いてからの新作のリリースで大変楽しみに待っていたわけだが、しっかりと聴いて結論満足な出来だった。
全体的にはもっとカリカリのソリッドでカリカリの寒色系のサウンドを想像していたが、音域ごとに表情が若干変わるが、ニュートラル傾向で、各帯域の特徴がしっかりと感じ取れるが、通して聴くとまとまりのあるナチュラルさを感じるサウンドだ。
曲ごとに表情が変わるが、それぞれの楽しみ方があると感じ、私はボーカルが目の前でがっつり聴けるので一番楽しめた。
また、クリアで美しくて低音の迫力もあるが、聴き疲れナチュラルなリスニングができるので、ながら聴きなどの長時間聴くことにも重宝しそうだ。
フェイスプレートの加工が今回も美しく、この価格帯なので4色展開というのもとても楽しめて良いと思う。ちなみに個人的には他の手持ちカラーなど諸々考えると緑で良かったと思っている。
やはりベリリウムメッキ1DDは楽しい。この価格帯は激戦区だが、PULA Unicrom 杢は楽しくもしっかりと健全さも感じられるイヤホンで、しっかりと戦っていけると感じる。
■スペック